本屋のとなり 喫茶わに

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2020.05.12
For pro…灯台下暗しなお弁当とお惣菜の作り方。

GWを目前にした4月下旬、気温がぐぐっと上昇した日のこと。また多治見の暑い夏がやって来るんだなと思わず手でパタパタと仰いだのと同時に、ヒヤリとしたのはきっと私だけじゃないはず。

それは、食を扱う業種の人ならば耳にタコができそうなくらい聞いている「食中毒」のこと。

今、新型コロナウィルス感染症の感染拡大を防ぐために食事の提供方法を店内からテイクアウトへ移行しているお店さんも多くあるかと思います。喫茶わにもその一つ。

これからの季節を考えるとテイクアウトでの食事提供はなかなかにリスクの高い方法。なるべくお客さまに渡すギリギリまで冷やしておきたい…でもそうなると容器に詰め込みが完了していないといけない。事前に容器に詰め込んでおくのは「製造業」に含まれるので、飲食店営業の許可ではできない。でもそうこう言っていると夏がやってきてしまう。困り果てたので、保健所に相談してみました。

 

そこで保健所から提案されたのは「業種種目(細目)の追加」という方法。

まさに目から鱗。灯台下暗しとはこのこと。飲食店営業許可を取得する時に記入した細目に「弁当屋」「そうざい屋」「仕出し屋」という項目があり、これらを追加することで、提供前に容器詰めを完了したものの販売が可能となるとのこと。今回、喫茶わにとカフェ温土は「そうざい屋」「弁当屋」を追加申請しました。

恥ずかしながら知りませんでしたが、これで晴れて容器詰めをして保冷をしたものをお客さまへお渡しができ、夏場を闘うための手筈が整いました。

 

■以下に細目追加によって増える「できること」と追加方法を添えさせて頂きます。困っている方の参考の一つになりましたら幸いです。

1. 細目の追加方法について

▶︎管轄の保健所にて 業種種目の追加変更届出書 を提出します。(←pdf データdownload可能です)

この赤枠で囲った箇所を埋めて、残りは保健所の職員さんと記入していきます。※法人の場合は、会社の印鑑をお忘れのないようご注意ください。

▶︎追加項目を聞かれますので、希望されるスタイルに沿ったものを追加します。

◎お店で定食などを提供しているお店がそのままお弁当箱に詰めたものを

 自店舗で販売したい場合→「弁当屋」

 他の場所に届けたい場合→「仕出し屋」

◎お店で作ったお惣菜やおかずなど(主食が含まれないもの)を容器に詰めて

 自店舗で販売したい場合→「そうざい屋」  

▶︎容器詰めした製品を保管する設備の場所を聞かれますので、お店のどの冷蔵庫にしまうのかを決めておくとスムーズです。

「弁当屋」と「仕出し屋」に関しては、保健所職員による現場の立ち合い検査が必要になります。どの設備(冷蔵庫)で保管するのかを実際に見て確認をしてもらいます。

 

2. 増える「できること」とは

・あらかじめ容器詰めした料理を提供できる

・自店舗から料理を運ぶことができる

・少数ならば販売許可のあるお店で販売できる

→販売先のお店が「弁当・そうざい販売業」の許可を取得していることが条件で、かつ、お弁当で小規模ということだそうです。そうざいを自店舗外で販売したい場合は「そうざい製造業」を新たに取得する必要があるとのことでした。

 

3. とってもとっても大事な注意点

・自店舗で販売する場合も、お店の軒下など温度管理のしにくい場所は避けないといけません。空調の効いた店内ならば、並べて置いておくのも良いとのこと。その際に商品の下に保冷剤を敷いたり、冷蔵ショウケースなどがあると安心。

・容器に詰めた料理には「食品表示ラベル」と「栄養表示」の貼付が必要になります。栄養表示に関しては、日替り弁当などのように都度内容が変わってしまう場合は免除されますが、定番のおかずだったりメニュー内容が変わらない場合は栄養計算をして表示をしなければいけません。

・店内で提供する場合と違い、テイクアウトとなると実際に食べるまでに多少なりとも時間がかかります。その分、食中毒のリスクは高まるので調理、容器に詰める作業はいつも以上に慎重に。

・念には念を、慎重に慎重を重ねても食品事故が起こってしまった場合に岐阜県では「総合食品賠償共済 あんしんフード君」への加入を勧めています。テイクアウトでの食事提供されているお店は一度ご検討してみてはいかがでしょう。

 

長くなりました。。。

そのくらいにややこしや…な営業許可。でも飲食における事故は人の命を奪うこともあるので、このくらいややこしくなってしまうのも分かるような、でももう少し分かりやすいと嬉しいような。

私は岐阜県の保健所にてこの話を聞いたので、お店の地域によっては異なる場合があります。より詳細なことはお店の管轄の保健所に問い合わせていただけますと幸いです。

 

酒類の販売に続き、営業の業種を追加。いろいろな手を駆使してこの夏を乗り越えましょう。乗り越えた先に仲間と交わす心からの乾杯を待ちわびて。

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